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西陣織について

シリーズ 心を継ぐ 技を継ぐ21世紀、西陣織に生きる。 糸染 寺井一雄さん

大正十年に創業した祖父から数えて三代目という寺井−雄さん。今も現役で働く父・通博さんの姿を見ながら育ち、気がついたらこの世界に入っていたとか。大学卒業後、二十余年。身に付けた染色技能の確かさは、伝統工芸士という資格からもうかがい知ることができます。「一生修行」と語る寺井さんの口調の中に、その道を極める人の厳しさを感じました。

糸の種類や条件は多種多様。一筋縄ではいかない。

西陣織は先に染色した糸を使って模様を織り出す先染織物です。特に多色に糸を使うため、実に多くの知識や技術を要します。糸は天然繊維だけでも絹、ウール、麻、綿などがあり、それぞれに発色が異なります。

求められる色に染める。それは、一見簡単そうで難しい作業。

また、太さ、撚りの状態、長さなども多種多様です。絹糸の場合を例にとってみても、基本的な二、三種類の太さの他に様々な太さがあり、撚りなら一メートル間に五十回から三千回までの撚りの幅が、そして、糸の長さもカセに巻かれた回数が、五百回から一万二千回まで色々。

このように条件の異なる糸を、指定どおりに染めていくのですから、一筋縄ではいかない。結構大変な作業です。

風合いを引き出し色を見る。

染めは、前準備として汚れや不純物などを取り除き、風合いを引き出すための精錬を行い、それからが染めの本番。染料は現在では化学染料が主流です。

自分の感性を頼りにイメージした色と風合いを創り上げる。

作業は、以前は手作業でした。熱した大釜に染料を入れ、糸の束を棒に通して染料に漬け、ムラの出ないように動かしながら、染めていきます。水分を吸った糸は、ずしりと重く、想像以上の重労働です。現在は機械化が進みましたが、特に風合いにこだわる場合などは、いまだに手作業です。染めのあとは水洗、色止めを施し、絞って乾燥させます。

これら一連の工程で、私たちに要求されるのが「色を見る目」。どんな仕上がり結果が得られるかは、自分の感性に大きく関わってきます。

機械化が進んでもベースは人間の目と感覚。

たとえば同じ青でも、その濃さや明るさ、そして赤みの青か、黄みの青か。織屋さんとコミュニケ一ションしながら、色のニュアンスをつかみ、染料や糸の特性を踏まえた上で、無数にある青という色からイメージする色を創り上げていきます。

最近では、コンピューターで欲しい色を数値化して、カラーマッチングさせる技術も用いられ始めました。確かに再現力はかなりいいし、便利だと思います。

しかし、糸の種類や染料によって染み込む具合がどうだというような判断は、人間の経験と勘がものをいうし、仕上がった染を見極めるのも人間の目と感覚。それらの判断力を身につけてこそ、機械を使いこなせるのだと思います。

最終的には機械に任せられない。この道は一生修業です。

(平成13年7月号)

手作業での糸染。「ムラなく、風合い
よく」を心がける。


染料の調合。日本人はうわべの
色だけでなく、侘び、寂に通じる
(底の色)を見る目をもつ。その
ニュアンスを出すのが一苦労。


糸の種類、太さ、撚りの状態を考え
ながら求められる色に染めていく。


父・通博さんとの呼吸のあった
作業が続く。


お客様が「いい色やな」と言って
くださることがうれしい。


美しい色糸。

伝統工芸士(染色)
京都府繊維染色工業組合青年部
(有限会社寺井染工)
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