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西陣織について

シリーズ 心を継ぐ 技を継ぐ21世紀、西陣織に生きる。整経 渡部友喜さん

経とはタテ糸のこと。染色された綛(かせ)の状態で入ってきた糸を、糸繰り機で糸枠に巻き取り、織機にセットできるように経糸(たていと)を必要な長さと本数に揃えるのが整経の仕事です。渡部友書さんは、モノづくりの魅力に惹かれ、伯父や父の職人芸を修業中。勘がものを言うアナログの世界で、夢を育んでいます。

整経の品質が織物の出来栄えを左右する。

織物は経糸の張力と緯糸(よこいと)のバランスでできています。整経は、機にかけた経糸に、文様を織り出す緯糸を織り込みやすくするための工程。帯や着尺、金襴、ネクタイなど、すべての西陣織がこの工程を通ります。

緯糸を織り込みやすく…。思いやりの心を技に凝縮。

整経機のドラムの幅は、私のところでは一メートル弱のものから二メートル四十センチのものまであり、指定された糸の本数などで使い分けます。

糸数は織物によって百本単位から一万本、二万本のものまであり、三千本の糸の整経なら、−度に百本ずつ三十回、ドラムに巻いて切り揃え、千切り(ちぎり)に巻き取っていきます。織物の品質に関わる、気の抜けない作業です。

指の感触だけを頼りに一定の張力でドラムに巻く

糸枠からドラムにかけられるまでの工程はというと、まず糸繰りで巻き取られた糸枠を一回分の個数並べます。

それを仮に百個として、その百本の糸を一本一本、目はじきという装置で引き上げて目板に通し、櫛状の畦筬(あぜおさ)で一本ごとに交差させてから、前筬で幅を整えてドラムに巻き付けます。そして、織物の目的に応じた長さで糸を切り揃えてまとめ、次の百本の巻き取りに入ります。

今の自分に何ができるかを問い続けたい。

整経で特に熱練を要するのは、品質を一定に保つため、畦筬と前筬の間で糸の張力を確かめる作業です。私は右手の人差し指で糸を軽く押さえ、その感触で張力を判断しますが、何十回、何百回と巻き取る場合でも、同じ張力を維持しなければなりません。長年積み重ねた勘だけが頼りです。

また、糸が切れたときも高度な技術が必要です。ドラムを止め、手に糸を巻き戻して切れた糸をつなぎ、他の糸と同じ張力になるように合わせます。これも神経を使う作業です。なぜなら、たった一本の糸の張力の違いが、製織時に筋が出る原因となるからです。

広い視野にたって自分にできることを考える。

熟練の技を持つ伯父や父でさえ「まだまだ」と言っていますから、私が一人前の職人になれるのは、もう少し先のことでしょう。

でも、一生懸命打ち込んでいます。やっぱり、私が整経した糸で製織された方から、「この経糸は織りやすかった」と言っていただくと、すごくうれしいですから。

そして、これからは、整経の奥深さを追求しながら、この分野だけにとどまらず、西陣織をトータルに見られるようになりたいです。そのうえで、西陣織の新しい活用法、和装の楽しみ方などの提案をはじめ、自分にできることを考え、実行していきたいと思っています。

(平成13年8月号)

穴のあいた目板を百本の糸が通る。


整経の前準備として、糸繰りを行い
糸枠に巻取る。


並べられた糸枠から、糸は目はじ
きに引き上げられ整経機に
掛けられる。


畦筬と前筬の間で張力を確かめる。


「早く一人前と認められるように
なりたい」と渡部さん。


勘をたよりに作業中。


ドラムに巻きつけた糸を一度に巻
取って整経が終了。

有限会社ワタベ整経
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