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西陣織について

シリーズ 心を継ぐ 技を継ぐ21世紀、西陣織に生きる。撚糸 西村元喜さん

生糸を必要な本数だけ束ね、回転を加えてねじることを撚糸といいます。いわば西陣織の出発点です。西村元喜さんは、父・泰一さんの仕事ぶりを見て育ち、この道に入りました。七年のキャリアを積んだ今、働き手は家族だけになっています。それでも「父の技を受け継いでいきます」と、きっぱり。伝統を担う人の気概をこめた言葉が返ってきました。

目的に合わせて湿式と乾式を使い分け。

織工程の前に、なぜ撚糸が必要なのかといいますと、撚りをかけて糸を強くすると同時に、用途に応じた太さにするためです。また、生糸の本数や撚り回数で糸の仕上がりが違ってきます。

糸を扱いやすくするとともに織に微妙な風合いを与える。

さらに、撚りの方向も左右あり、それらの糸の組み合わせが、織に異なった風合いを与えます。撚りには湿式と乾式があり、うちでは糸を水に浸けて撚りをかける昔ながらの湿式の八丁撚糸機が、乾式の撚糸機とともに元気に働いています。湿式の機械は回転数がゆっくりであるため糸にやさしく、仕上りがなめらかです。一方、乾式は、機械の回転数が速く、効率のよい作業ができます。

必要なのは勘・コツ・器用さ。

作業工程は、湿式では、生糸を糸繰り機で枠に取り、水に浸してから、合糸機で必要本数を束ねて木管に巻き取ります。それを撚糸機に掛け、指定の回数と方向に撚ります。途中で水に浸すのは、糸が水を含むことで静電気を防止し、糸にかかるストレスを小さくするためです。

水に浸けない乾式でも、空気の乾燥は糸によくないため、現在でも機械は土間に設置しており、機械が止まった夜に水をまいて、湿度を保つようにしています。朝八時から十時ごろまでかかって糸を撚糸機に掛けていき、八時間くらいかけて撚糸作業をします。その間も、次の糸の糸繰りや合糸作業を行いながら、糸が切れていないかをチェックし、切れたときは直ちに機械を止めて糸を継ぐなどの作業をします。

実際にやってみると、家業として何気なく見ていた頃には考えもしなかった難しさがあります。細い糸が相手ですから、やることすべてが細かいのです。父の言葉ですがこの仕事には、「勘」「コツ」「器用さ」という3Kが必要です。

この家に生まれたことを誇りにして。

伝統技術の後継者としてこの道を追求。

お客様が、糸の撚りできものや帯を買われることは、まずあり得ません。私たちは、まったくの縁の下の力持ちです。後継者がいなくて、年々この仕事をする人が減ってきており、私も将来を考えると不安になることがあります。

けれども、どんなに素晴らしい意匠も、糸がなければ織り上げることはできませんし、うちで撚った糸が、美術工芸品や祇園祭の見送り、能装束などにも使われているはずです。そのような貴重な伝統技術を受け継ぐことは、西陣の撚糸を家業とする家に生まれなければできないことです。

人の手技がいる重要な工程に携わっていることへの誇りを持ち、少しずつでも父の技に近づきたいと思います。

(平成14年1月号)

撚糸する前の糸。


機械にかける前に、生糸を撚糸用
の油剤に浸けて滑りをよくする。


合糸機で合わせた糸が木管に巻き
取られる。


33歳の元喜さんは、この業種に
おける数少ない後継者。


世代を越えて活躍する八丁撚糸機。
ゆるやかな回転が糸にやさしい。


八丁掛のあと、竿に通して干す。


再びかせの状態にして納品。

京都府撚糸工業組合所属
(水撚工房 西村撚糸店)
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