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西陣織について

シリーズ 心を継ぐ 技を継ぐ21世紀、西陣織に生きる。絣加工 野原潮さん

「ずっと父の姿を見てきて、この仕事が自分の身体に染み付いているのを感じた」と、絣加工の道に入って十九年。糸は伸びたり縮んだりするやっかいな相手だが、「理屈がわかってくると面白い」、と野原潮さんは微笑む。

柄がぴったり合うように、技と心を磨きつづける。

織機に掛ける前の緻密な準備工程。

絣というと民芸的なものと思われがちですが、西陣絣は繊細で洗練された美しさがあります。その緻密な技術は、西陣独特のものといえます。絣加工とは、絣を織るための経糸を、模様に応じて細かく括り、手染した後、柄を合わせて整える仕事。絣織機に掛ける前の経糸を準備する工程です。

図案を元に、染める場所などを計算し、ヘソと呼ばれる丸い形で入ってきた糸を、幾つかの糸束に小分けして大枠に張ってから、防染部分を綿糸やゴムチューブなどで括ります。こうして手染に出しますが、多色の場合は、色の数だけ手染と絣括りを繰り返します。これが終わると、括った綿糸などをほどいて糸を乾燥させ、ドラムに巻きつけて手作業で柄合わせを行い、筬に通し織幅に広げて、千切りに巻き取ります。

自分が使いやすいように道具類を改良。

糸を括る作業は根気がいリますし、しっかりと括らないと染料が入ってきますから、熟練が必要です。でも、それ以上に難しいのが墨打ちです。糸割り図という模様の設計図どおりに竹などのヘラで括る位置に印をつけるのですが、うまく墨を打たないと柄がずれてしまいます。何色にも染める場合や細かい柄の場合などは、さらに正確さが要求されます。その精度の高さが品質に大きくかかわりますから、一番緊張を要する工程です。

どの作業も慣れてきたとはいえ、体調が悪いなどという時は、柄が暴れやすくなります。それをいかに抑え、良い結果に導くか、毎日が勝負です。ですから、大枠もヘラも、たいていの道具は自分で使いやすいように改良したり作ったりしています。とくに、数年前に父が体をこわしてからは、自分が頑張らなければ、いいものを作らなければ、という気持ちが一層強くなりました。

自分の作品を創る夢を膨らませて。

目標は、企画から織までのプロデュース。

帯や着尺、コート、ネクタイなど、さまざまな用途の仕事をしますが、数年前に一つの括りが二〜三ミリの連続、しかも五色染めという着尺を手掛けたときは、一年近くかかりました。細かな作業で苦労しましたが、お陰さまで好評をいただき、感動ものでした。

しかし、私の仕事は中間工程ですから、完成品を見ることはめったにないし、どんな方に着ていただいているのかも分かりません。これからは、自分で企画し、織までのすべての工程に携わってみたい。積み重ねてきたものを生かして、納得のいく作品を創ってみたいですね。一緒に頑張ってくれている嫁さんにも、感謝を込めて自分の力作をプレゼントしたいものです。

(平成14年2月号)

模様どおり配列し、筬を通して
千切りに巻き取る。

(西陣絣加工業協同組合所属)

整経でヘソ上げされた糸。


大枠と呼ばれる木枠に糸束を張り
渡す。


糸割り図にしたがって行う墨打ち
は、最も技術を要する作業。


防染箇所を一束ずつ括る。


ドラムに巻きつけた糸束を引っ張
り、手作業で柄合わせ。


野原さんの淡々とした口調の中に、
仕事への想いが込められている。

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